アンと千代には、犬と猫という種別の壁がある。具体的に言うと、常識が違う。

のんびり寝ていたおっさんに、突撃する小娘。

犬には、好意を持った相手や信頼する人に、お尻を向ける習性がある。犬同士ならお尻を嗅ぎ合うことで、年齢・性別・体調や、その時の気分まで分かるらしい。

だから、犬にとってお尻を向けるのは、好きな人に対する積極的な自己紹介。「お尻、嗅いでいいよ!」という愛情表現。

ただ、相手が犬ではなかった場合、例えば猫や人類にとって、目の前にいきなりケツホールを突きつけられるのは、普通に嫌がらせ。

「お尻、嗅いでいいよ !」

「断る」

「まぁまぁそうおっしゃらず!」

「好きです!」

「ええ加減にせぇよお前…」

…で、がっぷり四つに至る。

